牛の置物 Familio pli gravas ol ĉio alia

Scrollsaw work /




内容:木&台、牛座*2、牛立*2、子牛*3

材:欅、楢、黒檀、樺、ブラックウォルナット、レッドオーク、等

仕上げ:植物オイル塗布

参考サイズ:木の高さ*幅、180*180/mm程度



Concept & Prologue

ここ数年、十二支を冠した品にはギミックを組み込み、からくり仕掛けにしておりました。そして、販売用にも製作しておりましたが、令和になってからは初心にかえって、単純な糸鋸細工を家族や仕事で所縁のある一部の方向けのみに少量製作する事にしています。


人間が社会生活を行ってゆく上での最小単位は家族だと言われます。 一匹狼を自称すれども、先祖が無ければ世に発生する事はできませんし、気付かぬだけで様々な恩恵を享受しているものです。 

特に日本人は古くから「家」を大切にし守り、引き継いできた民族です。 企業の古さでいえば、200年以上の歴史を持つ老舗は、世界の主要41か国で数えると5500社程度あるそうです。 しかし、そのうちの3000社超は日本の企業というデータがあります。

そして、世界で最も古い国家は日本です。 ある国は四千年の歴史があると言われることがありますが、その地域は様々な民族が入れ替わり、侵略と統一が繰り返されています。 そのため、国家としては数十年の新しい国です。

一方、日本では国内紛争はあったものの、天皇を主軸とする同一民族による統治が何千年と続いています。このように古くから存在する国は地球上にありません。 そして、男系血族を守り通してきた天皇一族は世界最古の血筋を伝える唯一の一族であり、日本が世界に誇る文化の象徴とも言えます。 

この事実からも日本における「一族」は非常に大切な概念だと言えます。


今回は、それらを一本の大木で象徴させ、7体の人形を作る事で一族を表す事にしました。

・先祖:祖父母

・自身のルーツ:父母

・私たち:子ども

です。

人によっては、父母のカテゴリが自身たちを表すことになりますね。

ここには陰陽雌雄がありますが、現代的な考えを考慮して中性の概念を子どもを3体作る事で象徴してます。


さて、2020年は歴史に残るようなウィルス問題が発生しました。 これによって、それまで見て見ぬふりをしてきた問題が様々な所で浮き彫りとなり、仕事の事はもちろん、外出制限により趣味や嗜好の事、人間関係や家族の在り方、あらゆる事が問われたように思います。

その問題は収束することなく2021年以降にも波及し考察され、より良い世界を構築するために進んでゆく・・・のだろうと思っています。

残念な思想にとらわれずに悪い事は悪いと言える、そして改善できる世の中になる。 そうあってほしい。


2021年は丑年です。
十二支を神が決める際の逸話として、動物たちに駆けっこをさせたそうですね。

足の速さで順位をつけるのなら馬や龍の方が早そうですが、牛は2番目にゴールしています。 牛は歩くのが遅いと、自分で分かっていたので早めに出発したそうですね。

事前に情報を仕入れて、対策をとっていたわけです。誰かを騙すような事をせず、楽をしようと考えるでもなく、長い時間をかけて、自身が出来る事を確実に実行したわけです。

簡単そうに見えて、なかなかできる事ではありません。


2021は正しい情報を仕入れ、対策を講じ、誰かを貶めたり、ズルをすることなく、のんびりとした足取りであっても良い未来を勝ち取れるように立ち回ってゆきたいものですね。


2021年が良い年になりますよう、願いを込めて。





お内裏様、おひな様、五人囃子を想像させます。


木陰で一休み。 ご隠居です。



世界は広い。様々な人種がいて、様々な樹種があります。

地球は丸い。 我々も、心を丸くして穏やかに過ごしたいものです。

人形の厚みも替えています。

作者

糸日谷 晃

東京造形大学デザイン科にて美術・デザインを学ぶ。
博物館に就職。 学芸員業務、工作室の運営に尽力。
ワークショップやイベントの企画、題材のデザイン・開発を手がけ、講師を務める。
現在、岡山県最高峰-後山の麓に工房を構えて活動中。


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